こんにちは。L’amour clinic Tokyo 院長の片岡です。
糸リフトはフェイスラインのたるみを引き上げる即効性の高い施術ですが、術後の肌はとてもデリケートな状態です。スキンケアの選び方ひとつで、回復のスピードや肌トラブルのリスクに大きな差が出るため、注意が必要です。本記事では、美容医療の専門的な視点から、ダウンタイム中・回復期のスキンケアアイテムの選び方と使用順序を詳しく解説していきます。
糸リフト後の皮膚状態とスキンケアの必要性(医学的考察)
糸リフト後の肌には、物理的刺激(針の刺入、糸の挿入・牽引)により軽度の創傷反応が生じます。これにより、表皮・真皮間の接着が一時的に弱まり、外的刺激に対するバリア機能が著しく低下します。また、皮膚表面ではトランスエピデルミス水分損失(TEWL)が増加し、肌の乾燥が強く現れます。加えて、糸の素材(PDO、PLLA、PCLなど)に応じて微小な免疫応答が誘導されるため、保湿・鎮静・抗炎症の3軸を同時に満たすスキンケアが極めて重要となります。
スキンケア成分の選び方とその根拠
- ツボクサエキス(CICA):抗炎症作用を有するマデカソサイドを含み、TNF-αやIL-6を抑制。コラーゲン産生促進作用もあり、糸リフト後の線維芽細胞活性化と相性が良い。
- アラントイン:皮膚の刺激感受性を低下させる鎮静成分。実際にアトピー性皮膚炎や放射線皮膚障害でも活用される。
- パンテノール:角層の水分保持機能を高めるほか、ミトコンドリア活性を促進し、肌の再生速度を早める。
- セラミドNP/NG/AP:角質細胞間脂質の構成成分。高配合であればあるほど、皮膚バリア修復効果は高い。
- ヒアルロン酸Na(高分子&低分子):バリア表面の保護膜形成と、真皮層への浸透型保湿に両対応できる。
避けるべき成分と臨床的懸念
- 高濃度ビタミンC誘導体:酸性でpHが低く、刺激性が高いため、未治癒創への使用は炎症増悪を誘導。
- レチノール/トレチノイン:角質剥離作用により、術後のコラーゲン沈着過程を阻害するリスクがある。
- サリチル酸(BHA):脂溶性剥離作用が皮脂膜の回復を妨げ、感染リスクを高める恐れ。
- 精油系成分:一部精油はハプテン(低分子アレルゲン)として作用し、アレルギー反応を誘発。
回復期に合わせた時期別スキンケア戦略
時期 | 主な皮膚状態 | スキンケア戦略 | 推奨成分 |
---|---|---|---|
術後1〜3日 | 微小出血、炎症、浮腫 | 鎮静・冷却・保湿 | CICA、アラントイン |
術後4〜7日 | 瘢痕形成、乾燥傾向 | 保湿・抗酸化 | パンテノール、セラミド |
術後8〜14日 | バリア回復期 | 低刺激美容液導入 | 低濃度VC、ナイアシンアミド |
術後15〜30日 | 肌再生完了期 | エイジングケア開始 | 高濃度VC、トレチノイン(医師管理下) |
推奨製品と臨床評価(例)
- ラロッシュポゼ シカプラストバームB5:パンテノール+マデカソサイド配合。フランス皮膚科学会でも創傷後ケアに推奨。
- エトヴォス モイスチャライジングクリーム:セラミド5種配合、合成香料無配合。敏感肌対応。
- Dr.Jart+ Cicapair:皮膚の炎症マーカー抑制と肌色補正の両立(術後2週以降)
スキンケアに関する医師からのアドバイスQ&A
- Q1. ビタミンC誘導体はいつから使えますか?
- 目安は術後10〜14日以降。濃度10%以下のマイルド処方で、赤みがないことが条件です。
- Q2. 糸リフト後、皮脂が減ってニキビができやすくなりました
- 一時的な乾燥性皮脂分泌の過多が原因。CICA+ナイアシンアミドで抗炎症と皮脂バランスを整えましょう。
- Q3. トレチノインを再開したいのですが、時期の目安は?
- 術後4週間以上、赤み・乾燥が完全に収まってから。自己判断ではなく、医師の診察後に再開を。
- Q4. 日焼け止めは必ず塗るべき?
- 紫外線は創傷治癒を遅らせ、色素沈着の原因になります。SPF30以上・PA+++のノンケミカルタイプが理想です。
- Q5. 術後に化粧水がしみます。どうしたら?
- pH調整されていない化粧水やエタノール配合が原因。皮膚科学試験済みの医療用保湿剤に切り替えてください。
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まとめ|糸リフトの完成度はスキンケアで決まる
糸リフト後の肌は、再構築と安定化を繰り返す「再生期」にあります。
そのプロセスを外から支えるスキンケアは、美容医療の延長としての価値を持ちます。
成分を見極め、時期を選び、正しい使用方法で、美しさの完成度をさらに高めましょう。
L’amour clinic Tokyoでは、施術前後を含めたトータルサポートをご提供しています。お気軽にご相談ください。
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